INTRODUCTION

あなたが日常で交わす何気ない会話や人のウワサ話、人間関係における秘められた羨望、嫉妬、見栄、駆け引き。無意識に積み重ねられる愚行の数々には、観る者自身の生き方が問われ、極限まで人間性が試される。決して先を読むことのできない展開に、仕掛けられた3度の衝撃。誰が真の被害者で誰が加害者なのか?SNSに翻弄され、本音が見えない現代社会に一石を投じる未だかつてない戦慄の群像ミステリーが誕生した!

ミステリー文学界の魔術師・貫井徳郎による第135回直木賞候補作「愚行録」の映画化に、妻夫木聡、
満島ひかりをはじめ、小出恵介、臼田あさ美、
市川由衣、松本若菜、中村倫也、眞島秀和、
濱田マリ、平田満ら日本映画界を牽引する豪華実力派俳優が集結。
日本から唯一の長編実写作品として第73回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門で正式上映されるなど、鮮烈な長編映画監督デビューを果たした石川慶。原作者自ら、映像化不可能と言わしめた著作を脚本家・向井康介が巧みに構成し、ポーランドの撮影監督ピオトル・ニエミイスキが圧倒的な映像美と構図を織りなす。
そして、気鋭の作曲家・大間々昂の流暢な音楽が作品に繊細な抑揚を創りだした。
日本映画史に挑むエンターテインメントの新境地がここにある。

その“愚行”は、あなた自身に突きつけられる。映像化不可能といわれた超問題作、遂に完全映画化!

STORY

エリートサラリーマンの夫、美人で完璧な妻、そして可愛い一人娘の田向たこう一家。絵に描いたように幸せな家族を襲った一家惨殺事件は迷宮入りしたまま一年が過ぎた。週刊誌の記者である田中
(妻夫木 聡)は、改めて事件の真相に迫ろうと取材を開始する。

殺害された夫・田向たこう浩樹 (小出恵介) の会社同僚の渡辺正人
(眞島秀和) 。 妻・友希恵 (松本若菜) の大学同期であった宮村淳子 (臼田あさ美) 。 その淳子の恋人であった尾形孝之 (中村倫也) 。
そして、大学時代の浩樹と付き合っていた稲村恵美 (市川由衣) 。

ところが、関係者たちの証言から浮かび上がってきたのは、
理想的と思われた夫婦の見た目からはかけ離れた実像、そして、
証言者たち自らの思いもよらない姿であった。
その一方で、田中も問題を抱えている。
妹の光子 (満島ひかり) が育児放棄の疑いで逮捕されていたのだ――。

理想的な家族は、誰に殺されたのか?それぞれの証言から浮かび上がる【人間の本性】とは――。

CAST

田中武志 ⁄ 妻夫木聡

1980年12月13日、福岡県出身。映画初主演となった『ウォーターボーイズ』(01)で人気を集め、『ジョゼと虎と魚たち』(03)では第77回キネマ旬報ベストテン最優秀主演男優賞を受賞。『悪人』(10)で第34回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝く。映画以外にドラマや舞台でも活躍しており、2006年「天地人」ではNHK大河ドラマ初出演にして初主演を務めた。その他の主な映画出演作に『マイ・バック・ページ』(11)『東京家族』(13)などがあり、2016年だけでも『家族はつらいよ』『殿、利息でござる!』『怒り』といった公開作が相次ぐほか、2017年には『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』『家族はつらいよ2』の公開も控えている。

田中光子 ⁄ 満島ひかり

1985年11月30日生まれ。『愛のむきだし』で多くの新人賞を受賞し、その後、数々の映画、ドラマ、舞台に出演。近年の主な出演作は映画『駆込み女と駆出し男』、舞台『100万回生きたねこ』、ドラマ『トットてれび』など。2016年10月29日から東京芸術劇場プレイハウスで舞台「かもめ」が上演。

田向浩樹 ⁄ 小出恵介

1984年2月20日、東京都出身。『パッチギ!』(05)に出演し注目を浴びる。その後も『リンダ リンダ リンダ』(05)『キサラギ』(07)『ボクの彼女はサイボーグ』(08)『ROOKIES –卒業-』(09)『シュアリー・サムデイ』(10)など話題作に多数出演。近年の主な出演映画に『ボクたちの交換日記』(13)『イン・ザ・ヒーロー』(14)『ジョーカー・ゲーム』(15)『十字架』(16)『シン・ゴジラ』(16)『ハルチカ』(17)などがある。

臼田あさ美 ⁄ 宮村淳子

1984年10月17日、千葉県出身。ファッション誌のモデルを経て女優デビュー。『色即ぜねれいしょん』(09)のヒロイン役で注目され、『キツツキと雨』(12)『鈴木先生』(13)『桜並木の満開の下に』(13)『さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~』(15)『グッド・ストライプス』(15)など映画のほか、「家売るオンナ」(NTV)「ママゴト」(NHK)といったテレビドラマでも活躍している。

稲村恵美 ⁄ 市川由衣

1986年2月10日、東京都出身。『呪怨』(03)で映画デビュー。『サイレン FORBIDDEN SIREN』で映画初主演を飾ると、『NANA2』(06)でもヒロインに抜擢される。以降『映画 クロサギ』(08)『ひゃくはち』(08)『TOKYO TRIBE』(14)などでキャリアを重ね、主演作『海を感じる時』(14)はロッテルダム国際映画祭に出品された。

夏原友季恵 ⁄ 松本若菜

1984年2月25日、鳥取県出身。2007年「仮面ライダー電王」で女優デビュー。『腐女子彼女。』(09)で映画初主演を飾り、映画やドラマに多数出演。映画の主な出演作に『ペコロスの母に会いに行く』(13)『はなればなれに』(14)『駆込み女と駆出し男』(15)『GONIN サーガ』(15)『×××KISS KISS KISS』(15)『ディアーディアー』(15)『屋根裏の散歩者』(16)『無伴奏』(16)などがある。

尾形孝之 ⁄ 中村倫也

1986年12月24日、東京都出身。2005年『七人の弔』で俳優デビュー。主な出演映画に『SPINNING KITE』(13)『マエストロ!』(15)『ピース オブ ケイク』(15)『やるっきゃ騎士』(15)『星ガ丘ワンダーランド』(16)『日本で一番悪い奴ら』(16)などがある。待機作に『3月のライオン』(17)がある。ドラマや舞台でも活躍しており、初主演舞台「ヒストリーボーイズ」で第22回読売演劇大賞優秀男優賞受賞。今後も主演舞台「怒りを込めてふり返れ」が控えている。

眞島秀和 ⁄ 渡辺正人

1976年、山形県出身。1999年、李相日監督作『青~chong~』の主演でデビュー。以降、映画やドラマでキャリアを築く。主な出演映画は『わたしのグランパ』(03)『69 sixty nine』(04)『血と骨』(04)『フラガール』(06)『HERO』(07)『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』(09)『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(14)『くちびるに歌を』(15)『人生の約束』(16)など。

橘美紗子 ⁄ 濱田マリ

1968年12月27日、兵庫県出身。モダンチョキチョキズのボーカルを経て女優活動をスタートさせ、『血と骨』(04)『アンフェア the movie』(07)『半分の月がのぼる空』(10)『はじまりのみち』(13)『マエストロ!』(15)『ヒロイン失格』(15)『団地』(16)など数多くの映画に出演する。「重版出来!」(TBS)「ヒポクラテスの誓い」(WOWOW)などドラマ出演作も多く、声優やナレーターとしても活躍中。

杉田茂夫 ⁄ 平田満

1953年11月2日、愛知県出身。早稲田大学在学中から演劇活動をスタートし、作・演出家のつかこうへいによる劇団「つかこうへい事務所」旗揚げに参加。舞台「蒲田行進曲」での当たり役を深作欣二による映画版でも演じ日本アカデミー賞主演男優賞を初めその年の賞を総なめにした。近年の主な出演映画に『プリンセストヨトミ』『八日目の蝉』(11)『キツツキと雨』(12)『悼む人』(15)『モーニングセット、牛乳、春』(13)『ズタボロ』(15)などがある。

CAST

監督:石川慶

1977年、愛知県出身。東北大学物理学科卒業後、ロマン・ポランスキーらを輩出したポーランド国立映画大学で演出を学ぶ。短編作品の制作を中心に活動し、MoMA主催のNew Directors,New Filmsやシッチェス・カタロニア国際映画祭など、50以上の国際映画祭に出品。
札幌国際短編映画祭・脚本スペシャルメンション、黒澤記念ショートフィルムコンペティション佳作などを受賞。
日本とポーランドの合作長編企画『BABY』はプチョン国際映画祭企画マーケットでグランプリにあたるプチョン賞を受賞している。『愚行録』が長編映画監督デビューにして第73回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出される。

原作:貫井徳郎

1968年2月25日、東京都出身。早稲田大学商学部卒業。不動産会社勤務を経て、1993年に書いたデビュー作の「慟哭」が第4回鮎川哲也賞の最終候補に残り、50万部を超えるヒットとなる。2010年には「乱反射」で第63回日本推理作家協会賞、「後悔と真実の色」で第23回山本周五郎賞を受賞。「愚行録」「乱反射」「新月譚」「私に似た人」で直木賞候補に選ばれている。主な著作に症候群シリーズ、明詞シリーズのほか、「プリズム」「追憶のかけら」「悪党たちは千里を走る」「ミハスの落日」「灰色の虹」「ドミノ倒し」「北天の馬たち」「我が心の底の光」などがある。本作が初の映画化作品となる。

脚本:向井康介

1977年、徳島県出身。大阪芸術大学映像学科の卒業制作として作られた『どんてん生活』(99)に参加。以降『ばかのハコ船』(03)『リアリズムの宿』(04)などを発表し、『松ヶ根乱射事件』(07)で菊島隆三賞を受賞。近年の主な脚本担当作は『マイ・バック・ページ』(11)『ふがいない僕は空を見た』(12)『もらとりあむタマ子』(13)『超能力研究部の3人』(14・共同執筆)、『聖の青春』(16)、ドラマ「深夜食堂」シリーズなど。

音楽:大間々 昂

1988年生まれ。洗足学園音楽大学卒業。作・編曲を渡辺俊幸氏に師事。主な作品として映画『予告犯』、WOWOW連続ドラマW「予告犯 –THE PAIN-」、「メガバンク最終決戦」、日本テレビ ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」、フジテレビ ドラマ「ディア・シスター」(共同)、映画『万能鑑定士Q〜モナ・リザの瞳〜』(共同)、TBS日曜劇場「家族ノカタチ」(共同)、TBSテッペン!水ドラ!!「死幣-DEATH CASH-」、TVアニメ「ファンタシースターオンライン2ジ アニメーション」ほか。

撮影監督:ピオトル・ニエミイスキ

1978年、ポーランド・ワルシャワ出身。ロマン・ポランスキーやイエジー・スコリモフスキを輩出したポーランド映画大学を卒業。『Lek wysokosci』(11)でマンハイム・ハイデルベルク国際映画祭審査員特別賞を受賞。クシシュトフ・ザヌッシ監督『Foreign body』(14)の他、これまで携わった多くの作品でカメリマージュ国際映画祭の最高賞であるゴールデン・フロッグ賞(金蛙賞)候補となっている。

照明:宗 賢次郎

1977年、福岡県出身。照明助手として『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(10)『ペコロスの母に会いに行く』(13)『テルマエ・ロマエII』(14)『好きっていいなよ。』(14)『龍三と七人の子分たち』(15)などに参加し、『もちつきラプソディ』(15)で照明技師デビュー。主な担当作に『ロマンス』(15)、『お父さんと伊藤さん』(16)、公開待機作に『幼な子われらに生まれ』『エルネスト』(ともに2017年公開予定)などがある。

美術:尾関龍生

1952年、京都府出身。テレビ業界を経て映画美術の道へ。『キッズ・リターン』(96)『HANA-BI』(98)『Dolls』(02)『座頭市』(03)『アウトレイジ』(10)など北野武組の常連スタッフでもあり、『殺し屋1』(01)をはじめ三池崇史組への参加も多数。その他の代表作に『ピンポン』(02)『少年H』(13)『キッズ・リターン 再会の時』(13)『明烏』(15)『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』(16)など。

録音:久連石由文

1970年、愛知県出身。主な録音・整音担当作に『色即ぜねれいしょん』(09)『月光ノ仮面』(12)『アフロ田中』(12)『アウトレイジ ビヨンド』(12)『今日子と修一の場合』(13)『男子高校生の日常』(13)『キッズ・リターン 再会の時』(13)『ルパン三世』(14)『ピース オブ ケイク』(15)『龍三と七人の子分たち』(15)『みんな好いとうと♪』(16)『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)などがある。

妻夫木 聡 満島ひかり 小出恵介 臼田あさ美 市川由衣 松本若菜 中村倫也 眞島秀和 濱田マリ 平田 満 原作:貫井徳郎『愚行録』(創元推理文庫)脚本:向井康介 音楽:大間々 昂 監督:石川 慶 企画・制作:オフィス北野 配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野

2017.2.18 SAT ROADSHOW