俵万智(歌人)
愚かさと悪が、イコールで結ばれたり、結ばれなかったり、ねじれたり。
賢しらな悪もあれば、愚かな善もある。人として一番ダメなのは、誰だろう。
深町秋生(ミステリ作家)
憤怒、驕慢、狡猾、野心……人間誰しもが持つ暗黒を容赦なく突きつけ、
見る者の心を冷酷に乗っ取る悪魔のような作品。
つまり、それだけ圧倒的な魅力に満ちあふれている。
宮崎哲弥(評論家)
絶望という真っ暗な闇にはまだ救いがある。絶望は劇的だし、悲嘆に暮れることもできる。
だが、愚かさの薄い闇に救いはない。自分の愚かしさに気づいても、みじめに呻くしかない。
このフィルムには人間の薄闇が見事に定着している。しかもこよなく美しく。こよなくいとおしく。
狂おしく。
凄い監督だし、凄い演技者たちだ。
相沢梨紗(でんぱ組.inc)
愚行者の図鑑のよう。登場人物に自分の愚行タイプを重ね、日々の行動を考えさせられました。
無自覚に誰かを傷付け、恨みを加算しているのかも知れないと思うと恐い。
ハリセンボン蓑輪はるか(芸人)
人間の多面性を丁寧に剥いていくと、潰れた黒っぽい部分が見えてくる。
一見普通の人たちのそれぞれの愚行が暴かれていくうち、自分の中身を覗かれたような気がして、
穏やかではいられなかった。
五十嵐貴久(作家)
何ちゅうコワい映画でしょう。わたくしは人生に絶望してしまいました。
後決して後味がいいとは申しませんが、クセになります。見た方と語り合いたくなる、傑作映画です。
山下永夏(モデル)
以前原作を読んだ際、読後の衝撃が大きくて大好きな作品だったのですが、
映画でも同じ衝撃を味わいました。
というかそれ以上なのかもしれない。あっという間の120分間。
愚かさ、嫉妬、羨望、全部に引き込まれて目が離せなかった。
ものすごく人間ぽくて、ああ、なんかわかるなあ、っていうところがとても面白かったです。
大沢伸一(音楽家)
人間に与えられた動物との大きな差、理性と知性、そして愚考や愚行。
これらの間にあるものは一体何なんだろう?そんなことを考えさせられました。